こんにちは、Ryuka(@Ryuka_kcfg)です。
私の職場に発達障害の同僚がいます。
まだ入社して数ヶ月しか経っておらず、社会人は初めての後輩。
教育係は私になりました。
自分の周りにも、発達障害の人がいるか思い返してみても、小学生のときにいたあの子はそうだったのかな?くらいで、私自身全然知識がありませんでした。
最初は覚えも早いし、「本当に発達障害なのかな?」と思うことが多かったものの、丸1ヶ月経つとだんだんミスが増えてきたり、数ヶ月経つとこちらも頭を抱えるようになってきてしまいました。
辛くて私も考えた、転職
発達障害とは?
「発達障害」は、大きく以下の3つに分類されます。
「自閉症スペクトラム障害」(ASD)
以前は、アスペルガー症候群・高機能自閉症・カナー型自閉症など別々の診断であったものが、その症状の多様性と連続性から2013年より現在の名称に変更されました。
主に対人コミュニケーションに問題があって、相手の気持ちを察したり、場の空気を読んだりすることができない・相手の言葉をそのまま受け取り冗談が通じない・こだわりが強く、決められた予定が変更されるとパニックになるなどの特徴があります。
「注意欠陥・多動性障害」(ADHD)
「不注意」「多動性」「衝動性」の3つが大きな特徴です。
- 集中することが苦手
- 遅刻や忘れ物が多い
- 自分の興味があることには異常に集中するが、切り替えができない
- じっと座っていられない
- 公共の場でも静かにしていられない
- 場の状況に関係なく思いついたことを発言したり、急に行動したりする
- イライラしやすく、急に怒り出すことがある
学習障害(LD)
「読字障害」「書字障害」「算数障害」が特徴で、読む・書く・話す・聞く・計算し推論する力のうち、一つ又は複数の使用・習得に困難を持っている発達障害です。
いわゆる知的発達の遅れは無いものとされています。
ーASQMii より 心理カウンセラー 西尾 浩良さん
大人の発達障害の同僚と仕事を進める上でぶつかった壁
その後輩に当たるのは、
- 確認が苦手
- 集中力が続かない
- 上司・先輩などの話に入りたがり、ずっと見ていたり様子を伺う(仕事の話をしていても、話に入ろうとしてしまう)
- 先輩のマウンティングをする
- 興味のあること、得意分野はそつなくこなすが、苦手分野、嫌なことは嫌がってやりたがらない
- ミスをしたり、注意を受けても反省をあまりしない
確認が苦手・集中力が続かない
この中で一番指示に困ったことが「確認の仕方」です。
仕事をする上で「確認」は絶対することだと思いますが、後輩は確認を1回くらいしかせず、そのためミスが本当に多いのです。
誤字脱字だったり、入力間違いだったり、枚数間違いだったり。
自分で確認してもらい、そのあと私や別の同僚が最終確認をするのですが、そこでミスが発覚。
また集中力が続かないことも、作業中や確認中に起こるので、ミスにつながってしまいました。
私語が多く、会話に入りたがる
自分の好きな分野・興味のあることに関してはどんどん話に夢中になり、手が止まってしまうことが多々あります。
そこで再び集中力が欠けてしまい、作業にミスが出てしまい悪循環に。
この点は「手が止まっているよ」や上司から直接その場で注意を受けることによって改善されてきました。
同僚に対してのマウンティング
最近入社したばかりなので、後輩にとって自分以外は全て上司と先輩。
それでもある先輩の指示には従わなかったり、その人から言われても「〇〇さんに確認するので」と言ってしまうことが多々ありました。
言うことを聞く先輩と、嫌な言い方だと見下している先輩がおり、そこを注意してもその場だけ、ということがありました。(本人に悪びれた様子はありません)
発達障害の同僚への教育方法が分からず、ストレスになってしまった
何度注意しても、その場では聞き直すものの、数時間経てば忘れてしまうようでまた同じミスをしていました。
私も上司に相談して改善策を考えたり、アドバイスをもらって実践してみたものの、堂々巡りでだんだんストレスになってしまいました。
注意の言い方もあまり厳しくなりすぎないようにしていたので、本人にどこまで響いているかも分からないし、きつくならないように自分自身をコントロールしていたところもあって、精神的に疲れるようになってしまっていました。
そこで上司に相談し、後輩が就職前にいた就労支援所の担当者の方に来てもらい、相談をすることになりました。
辛くて私も考えた、転職
発達障害の同僚とうまく仕事を進めるための改善策は?
就労支援所の担当者の方に困っていることを話すと、就職前に注意を受けていたことがまた今出てきてしまっている、と言われました。
恐らく入社して数ヶ月経ち、職場に慣れてきたために甘さや自分なりのルールが出てきてしまっている、ということでした。
そして就労支援所では、私が思っていることよりももっと自分で考えさせて行動させていることを知りました。
担当者の方に聞いた改善対策は以下です。
優先順位をつけるのが苦手への対処
- 出勤したらTODOリストを書かせ、今日一日何をどの順番でやるかを自分で考えさせる。
- だいたい15分ほどで決めさせる。
- 優先順位の高いものにはマークをつけたり、一番上に書かせたりする。
発達障害の人は空気を読むことが苦手なため、時間を決めないと上司や先輩が忙しく仕事をしていても、気にせず質問をしてしまいます。
また、質問を思い出したときにすぐしてしまうため、翌日でもいいような急ぎでない質問をしてしまうことがあるようです。
確認が苦手への対処
- 指差し確認を支援所では行なっていたため、指差し確認をさせる。
- 表などの数字や誤字脱字の確認をさせるには、印刷をして手元とPCの画面でチェックをさせる。
- 印刷した紙ベースにレ点を入れたり、丸をつけたりすることで間違いがないか確認することが出来る。
- 集中力も欠けやすいので、紙にレ点などをすることによって、どこまで自分でチェックしたか分かるようにさせる。
責任感がないことへの対処
仕事に責任感がないので、ミスをしても注意を受けてもあまり響かない。
そのため最終確認は他の人がやらず、全て自分でやらせる。
そこでミスをしてしまったら、「自分の仕事がミスした場合、責任は上司にある」ということを分からせる。
嫌なことから逃げようとしてしまうところがあったので、注意をされても「別のことを考えて話を聞いていない」ところがありました。
なのでミスしても自分が注意されるだけだから、「ミスしても謝ればいい」くらいの軽い認識で、特に気にする様子もなかったんです。
でも「自分のミスは上司の責任になる」ことを知った途端、ミスをしたらどれくらい問題になることかが理解できたようでした。
その次に必要なことは、ミスをしてしまったら次はどうしたらミスを防げるか、必ず改善方法を自分で考えさせること!
仕事の指示を待つ傾向があるので、次に何をすべきか自分で考えさせ、報告させる。
自分で考えさせてやらせてしまうと自分のルールでしかやらなくなってしまい、嫌なことは避ける傾向があるのできちんと報告させること。
その際時間配分なども考えて報告してもらうことも大事です。
自分で考えさせる
今日の仕事の流れ、作業の進め方、ミスをしたときの改善策など、全てこちらが指示を出すのではなく、本人に考えさせることが必要です。
「どうゆう流れで仕事を進めていけばこの期日までに終わるか」
「なぜこのミスをしてしまったのか」
「ミスをしないためには次どのようにやればいいのか、気をつければいいのか」
など、自分で考えさせないと責任感を持たずに仕事をしてしまいます。
またミスをしたときに自分で改善策を考えないと同じ過ちを繰り返すし、「失敗してしまった」という反省もできません。
嫌なことから逃げる、やりたがらない
苦手なこと、やりたくないことはやらないことがあるので、きちんと「なぜ、これをやらなくてはいけないか」「これをやらないと後々誰がどう困るか」を具体的に伝えることが大事。
自分のルールを作ってしまう
上記同様ですが、社会や会社のルールではなく自分なりのルールを作ってしまうことがある。
確認が面倒だからやらなくていいや、この仕事はやりたくないから他の人がやってくれるまで放っておけばいいや、など。
きちんと「なぜこれをしなくてはならないか」、「この手順でやらなくてはなぜダメなのか」説明する必要がある。
マウンティングすることがある
これは障害がある方(発達障害だけではなく)の多くに見られる傾向のようです。
自分より相手が上か下か、無意識のうちにマウンティングしてしまうようです。
上の人には言うことを聞くけれど、下だと思っている人に対しては言葉使いがきつかったり、失礼だったり、言うことを聞かないことがあるそうです。
発達障害の同僚に仕事上でうまく指示をする方法
指示は簡潔に、一つ一つする
「これをこうしてやってほしい、それが終わったらこれをやってね!」
という指示を出してしまうと、混乱してしまいます。
そのためやってほしいことを簡潔に説明します。
そして一つが終わったら次はこれをやって、とお願いする方がパニックにならず、理解してくれます。
何でもメモをとらせ、復唱させる
TODOリストを毎日書かせて一日の流れを把握させますが、新しくお願いした仕事や指示をメモに取らせ、最後に復唱させます。
発達障害の人はメモを取ることが苦手ですが、なるべくメモを取らせ、次に何をすべきか確認させます。
すぐ忘れてしまうところもあるので、分からないこともメモを見て確認。
出された指示もメモを見て確認。
その際は必ず「具体的に書く」ことをします。
なぜなら、自分で書いた内容も忘れてしまうので、具体的な内容を書くことでメモを見て思い出すことができます。
何度やっている仕事でのミスや、何度も教えていることも「分からない」と思えばすぐに聞いてきます。
そこで聞く前に一度メモを確認し、それでも分からなければ質問して、と言うものいいと思います。
上司や先輩は指示の仕方を統一する
これは誰にでも言えることですが、指示の仕方を統一することが必要です。
人によって指示の仕方が異なると、本人はとても混乱し、出来ることも出来なくなってしまいます。
指示の仕方を統一することと、本人の得意不得意を関わる人が把握をし、本人に合った指示の仕方が出来るともっとスムーズに進むかもしれません。
必要なこと
一緒に仕事をする上で、ケアレスミスが多く、注意力も散漫なためこちらの仕事が増えてしまい指示の仕方なども悩んでしまい、精神的にも疲れてしまいました。
ただ、本人が故意でやっているわけではなく、そうゆうところが障害の特性なのです。
そのためこちらも特性を理解することが大事であり、本人の得意不得意を知ってあげることも、お互いがうまく仕事を進めていくには必要なことです。
得意なことは集中力を持ってやってくれます。
不得意なことは、責任があるものはさせない方が良い場合もあります。
また特に多いケアレスミスは、「不注意さは根本的には変わらない」前提で具体的な対策を本人にも考えさせる必要があります。
例えば毎日のルーティンの仕事で同じようなミスを繰り返すのであれば、チェックリストを作って指差しチェックやレ点をつけて確認していくことや、時間をおいて再度確認するようにする(お昼休憩後や少し息抜きしたあとになど)。
そして一番大事なことは、関わる人を一人だけにしないこと。
必ず複数人で担当を見ることが必要です。
なぜなら、関わる人が一人だけだとその人が精神的に辛くなってしまいます。
頭では分かっていても、一対一だと本当にしんどくなります。
上司、先輩、後輩問わず、周りにいる人全員で本人の特性をきちんと理解し、全員で関わるようにしてください。
もしあなたが上司で、同じ部署に発達障害の同僚を担当している教育係がたった一人でしたら、今すぐあなたと数名の部下をつけてください。
それをしないと教育係をしている人が精神的に辛くなってしまったり、退職してしまう恐れがあります。
福祉に特化してきた人なら上手に付き合えますが、私のように全く知識がない場合は複数人で関わることが大事です。
そうすれば本人も、教育係の人も、周りも働きやすい環境を作ることが出来るんです。
発達障害の同僚とうまく付き合う方法
発達障害といっても、症状やスキルはひとりひとり異なります。
その人の得意不得意を見つけ(もしくは本人から教えてもらい)、その能力にあった仕事をお願いできれば一番いいのですが、そうもいかない状況もあると思います。
ただ、誰もが得意不得意なことはあるし、それがたまたま発達障害の人が顕著に表れているだけのこと。
私は初めて発達障害の後輩に出会って仕事をして、戸惑う部分、ストレスになる部分がとても多いと感じたもの事実です。
ただ、後輩と出会ったことにより、毎日頭を悩ませていますが、とてもいい経験が出来ていると思います。
本人は子供みたいな純粋さがあり、褒めるととても喜びます。(仕事中に困ることもありますが)モチベーションは山のように高く、(すぐ落ちることもありますが)一生懸命。
プライドは一丁前なのでイライラすることもありますが、本人の個性です。
私自身も困り果てて教育係を投げ出しそうに何度もなっていますが、上司に相談したり、ネットで発達障害のことを調べて理解してきたこともあります。
それだけでも対策が練られて気持ちが楽になったこともありました。
大変なのは本人だし、きっと今まで嫌な思いもたくさんしてきたと思います。
同僚になったら正直大変なこともたくさんあります。
ただ、叱ってイライラするのでなく、きちんと理解をしてあげることがお互い仕事がしやすくなる一歩だと思います。
それでも辛いときは、転職も考えてみよう。